こんにちは、田舎暮らし満喫中のソッシーです。
信州の涼しい夏は楽しいものの、残念ながら夏には困った虫たちが姿を現します。その中でも特に厄介なのが「ブユ」と「ウルル(イヨシロオビアブ)」だと私は思っています。毎年夏が憂鬱になるくらい刺されてきた私。ブログ記事として面白いかはともかく、今一度詳しく知りたかった虫たちの個性と対策を備忘録しました。
憎きブユ、特にウルルに長年刺された経験をもとに、もろもろまとめました。高原地帯に遊びに来る方々に少しでも有益であれば嬉しいです。
高原で嫌な吸血昆虫1、ブユ
まるでハエみたい、ブユってどんな虫?
ブユは漢字で書くと蚋。虫偏に内、内なる虫だ。体長1~5mmほどで、ハエの仲間のためコバエに間違えそうな見た目です。
春から夏にかけて活発にな虫で、特に湿地や水辺を好むそうです。ここ美麻だと6月の早朝や夕方に庭に行くと刺されたりします。キレイな水場が好きだから、以前住んでた横浜には居なかったと思います。だから移住後初めて刺されたときは本当にびっくりしました。ちなみに関東ではブヨ、関西ではブトとも呼ばれるらしく、埼玉出身の私はブヨって呼んでました。
静かに近づき皮膚を噛み切る⁈「ステルス」昆虫
ブユが嫌われるのは、やはりその長引く痛みからでしょう。似たように血を吸ってくる憎き虫に蚊がいますが、蚊との違いは「吸い方」と「毒性の強さ」です。
蚊はプーンと静かに音を立てながら近づき「針のような口を刺して毛細血管から吸血する」のですが、ブユは羽音をさせず静かに近づいてきます。ステルス戦闘機のようです。そして「ノコギリ状の口で皮膚を噛み切って、流れ出た血を啜る」そうです。
刺されている時は実は殆どかゆみを感じないのですが、吸われた場所には赤い血の点や水ぶくれが現れるので、のちのちブユと分かることも。野外で赤い点を見つけると、とても悔しい気持ちになります!
※このあと目が腫れた私の画像が表示されます。ご注意ください
これは確か、ブユに目を刺されたときの昔の写真。顔をこんな↓ネットで覆っても刺してくるのですよ…(/_;)
数日から数週間?痛みの残り方がえぐい
ブユが血を吸うとき、皮膚の中に注入してくる唾液は蚊よりも毒性が強いらしく、場合によっては激しい炎症を引き起こします。
刺されて半日くらいすると刺された所が赤く腫れて激しくかゆくなってきます。掻きむしると余計に長く痒みが残ってしまいます。この痒みが赤く残るのを「慢性痒疹(まんせいようしん)」というそうですが、私はいつもこれになってしまいます。だって気を付けていても掻いちゃうもん。
個人的には実は蚊の方が痛みが長引くので、炎症の強弱は人によると思います。しかし、知れば知るほど嫌な虫ですね。媒介する病気がないのが唯一の?救いかも知れません(これはウルルも同じ)。
ブユに刺されないために
ブユは涼しい朝夕に活動することが多いので、その時間帯は外出しないように……って、農家はそういう訳にはいきません。こっちだって涼しい時間に活動したいっつーの。
だからせめて、露出の少ない格好をしましょう。顔や腕を刺してくることもありますが、圧倒的に多いのがひざ下、脛辺りです。だからサンダルとかで外に出ないだけでも効果はあります。そのほか詳しい処置の仕方と対策は基本的にアブと同じなので、後述をご覧ください。
・ブユはステルス昆虫。小さいし、刺されても気づきにくい
・露出を減らして刺されないように。対策は以下のアブと同じ
高原で嫌な吸血昆虫2,ウルル(イヨシロオビアブ)
「ウルル」の本名は伊予白帯虻
ウルルって名前ご存じですか? アブの一種で本名はイヨシロオビアブ。漢字で書くと伊予白帯虻。なんとも強そう。ウルルだととても可愛い感じですが、実際は全然可愛くない痛い虫です。名前の通りお尻に白いボーダーラインがあり大きな目は緑色で意外と奇麗です。ブユと同じくハエの仲間で、サイズは1~2センチくらい。一般的なアブよりは小さいですが、普通のハエに似た大きです(アブはコバエくらい)。
美麻では「お盆過ぎたら要注意」なんて言われていましたが、最近では7月くらいからいる気がします。風の少ない場所が好きで、確かに家の縁側とか窓に止まっている印象。
ちなみに、ミツバチがメスだけ働くのと同じ?で、アブはカやブユと同じく、メスだけが吸血します。メスって命を残すから大変なのね~
名前は可愛いが存在は可愛くない、ウルルの地方名いろいろ
ちなみに地域によって呼び名が違い、
- ・秋田県→トシベ
- ・山形県→コシジロ
- ・富山県→オロロ、オロ
- ・石川県→ウルリ
- ・新潟県→ウルルまたはメジロ
こんなにバリエーションがあります。主に日本海側ばかり異名があるけど、他の地域にはイヨシロオビアブはいないのかな? アブの幼虫は清流で育つらしいのでブユと同じく田舎、というか大自然に沢山居るのでしょうね。
“ステルス”ブユとの違いは、おっとりしてる所?!
ブユは水辺に生息するのに対し、ウルルは砂地や林の中などの乾燥した場所を好みます。また、ブユのように群れることは少なく、1匹単位で活動することが多いです。サイズも全然違ってブユはコバエみたいに小さく黒い点、みたいな感じで、ウルルはハエくらい。そして動きが若干鈍いです。特に温度が下がると動きは緩慢になり、簡単に叩けます。慣れてくると指で弾くこともできますよ(笑)
3敵(ウルル)を知り、己(治癒法)を知る
皮膚を切り裂かないで! 痒みの元を注入しないで!
悲報ですがウルルもブユと同じく、皮膚を切り裂きます。鋭い口で切り裂いた瞬間にチクッと分かりやすい痛みがあるので、蚊みたいに吸血されたことがすぐに分かります。そして痛みで叩いてしまう。叩き潰してしまう、噛まれた場所には血がにじむ……。
そして強烈に痒くなってきます。人によってはアレルギーが出て化膿します。パンパンに腫れて「象足」になることもあります。そうなると半年くらい痛いです、私はそうでした。歩くと筋肉が痛い、みたいな。個人差が激しいですが、傷が薄くなってくるころ冬が来たなぁ、と感じていました。誇張ではなくそんな時期もありました。
※この後、水膨れした足の画像が出てきます。ご注意ください
こんなに腫れるのはウルルが血を吸うときに皮膚に注入してくる唾液腺物質が痛みを引き起こすとか。他にも酵素が関係すると「昆虫による皮膚炎」という論文(PDF)に書いてありました。
ちなみにウルルは、私たち犬の毛の少ないお腹を吸ってくるよ(/_;)
腫れないけど痛いので、死に物狂いで口撃するよ!!
=ウルル食べちゃう!!(笑)
刺されたらどうする⁈ かゆみや腫れの対処法5選
ウルルに刺されたら「刺された箇所をできるだけ触らずに清潔に保ち、冷水や氷で冷やしましょう」と言われるが、大概の人は掻いちゃうのではないかと思います。多少はしょうがないけど、掻きすぎるとシミとして跡が残るし痒みが広がる気がするので、ほどほどに。
ウルルに刺された後は、悪いこと言わないから、かゆみ止めクリームや抗ヒスタミン剤を使いましょう。ナチュラル派ママは強い薬を嫌がる傾向がありますが、適正に使えば問題ないはずです。そして腫れが酷い場合はきちんと病院に行きましょう!
唾液を取り除く おすすめ度★★★★★
刺された直後であればポイズンリムーバーが有効です! 血も一緒に吸われてびっくりすることもあります。蚊にも有効なので、夏の間は持ち歩いています。
薬を塗る おすすめ度★★★★☆
私は「リドベートGXゲル」を使っています。マツキヨで売ってるステロイド剤です。刺された箇所に塗ることで、かゆみを軽減できます。個人的にはキンカンのスッとする感じが大好きだったのですが、犬と子どもがいる生活になってからは使えなくなってしまったのが残念。みんな纏わりついてくるから、キンカンが移っちゃうものね。
病院に行く おすすめ度★★★☆☆
腫れが酷い場合は行きましょう。病院好きじゃない気持ちは分かりますが、急がば回れです。病院で処方された薬の方が安いしね。昔の私にアドバイス、悪いこと言わないから、皮膚科に行って薬を貰えばよかった。星3つの理由は、病院というのはえてして待ち時間が長いから。
熱いお湯をかける おすすめ度★★☆☆☆
気のせいな気もしていましたが(笑)下記のように効果あるみたいです。でも一時的だし熱湯は危ないからやるなら自己責任でね。子どもとかにやらないように。
熱い刺激が皮膚に入ったときに、 まずはかゆみを惹起する反応を示すのですが、逆にそのスイッチが入った後、 非常に短時間で脱感作が起こって、そのかゆみを抑えることが、わかっています。
皮膚の搔痒に対する温熱療法(ドクターサロン62巻6月号)
この記事に書いてある「カプサイシンも一時、かゆみを抑える」ってのも、面白いね!
慣れて耐性を付ける おすすめ度★☆☆☆☆
実は、慣れってあるんですよ。私は移住後数年は本当に象足になるくらい腫れて、夏が憂鬱でした。でも8年も経つと昔ほど腫れなくなりました。こっちにも耐性が付いてきたんですね。痛いことは痛いけど、まぁ、もうしょうがないな、と。慣れって大事です。ただしおススメではない、痛いから!
年を取って反応を鈍くする(笑) おすすめ度★★★★★
「慣れて耐性を付ける」に似ている気もしますが・・・💦
加齢とともに反応が鈍くなるという事も……。年を取るのも悪くないですね(笑)。おすすめ度マックスなのは誰にでもできるから! そしてこれを知れば諦めもつくってもんでしょ。
余談ですが私は犬猫アレルギーもあるのですが、それも年々辛さが減っています。子どもの頃は真っ赤に腫れたり息苦しかったりしましたが、今はちょっと痒いくらい。何にでも反応が鈍くなる=優しく受け止められると思えば、★5つですよ‼(笑)
4.刺される前の予防対策とおすすめグッズ
とはいえ、できれば刺される前に対策をしておきたいもの。簡単にできておすすめなものを紹介します。以下の対策はウルルだけでなく、ブユも(蚊も?)同じようなものなので、一緒に対策してしまいましょう。
吸血昆虫、予防対策3選
黒い服を着ない、露出を少なくする おすすめ度★★★★★
長い靴下と長靴をはくだけでも効果はあります。服の上からでも刺してきますが、露出しないに越したことはない!
蚊取り線香をたく おすすめ度★★★★☆
我が家は野外は煙の出る線香を、室内は出ないものを使っています。薬だからちょっと気になるけど、無防備だと余りにも辛いので……。ペット向けの蚊取り線香もありますよ。
自動車の乗り降りは要注意!
エンジンの熱と二酸化炭素が好きなので、車から降りるときは少し時間を置く、か全速力で逃げるか(笑)。排気ガスを動物だと思っているみたい。山道を走っているとバンバンぶつかってきてとても怖いです。
露天風呂では細心の注意を払う
熱が好きということで、露天風呂に出没することも多いです。
もうこれは注意するしかない。
吸血昆虫、おすすめグッズ3選
オニヤンマ君 おすすめ度★★★★☆
近年、爆発的な人気のある虫除けグッズ。オニヤンマはウルルの天敵であり、それを模したおもちゃですが、ウルルを寄せ付けなくする効果があります。実際に使ってみての感想ですが、劇的に!ってほどではありませんが、効いている気がします。何より付けるだけ効果があって、煙も出ないし値段も手ごろだし、我が家にはたくさんあります。でもね、安いの選んで買うと中国から小さいトンボが来るから(笑)サイズには注意して!
ミントスプレー おすすめ度★★★☆☆
ミントの香りがウルルを遠ざけます、多分。身体に直接吹きかけちゃ駄目だよ~~。詳しくは北見ハッカ通商 公式サイトをご覧あれ。
虫よけスプレー おすすめ度★☆☆☆☆
私も自称ナチュラル派ママもどきではあるので、あんまり使いたくないのよね~。でも効果を考えるとやっぱり・・・科学は否定できないので。
市販の色々ありますが、子どもがいることを考えて我が家はこちらを使っています。
まとめ
ところで富山県南砺市の利賀村という所の公式ゆるキャラに「オロロ君」というのがいます。すごいよね、ウルルをキャラクターにしてしまうって。私が村長ならウルルに私怨があるから止めたいところだけど(笑)。これが公式として活動できたのは素晴らしいと思いました。
さて、長々と私の思う二大吸血昆虫についてまとめてきました。ブユやウルルと共存できる気はしませんが、これらの予防対策などを参考に、信州の夏を楽しんでくださいね。